技能実習制度については、政府において制度改正が検討されています。2023年末に有識者会議の最終報告書が公表されました。これを基に、制度改正の見通しをテーマごとにアップしていきます。

受入れ可能職種

現行制度

技能実習についてはこれまでのところ90職種が認められており、特定技能では12の産業分野で人材の受入れが可能となっています。技能実習と特定技能は個別に創設された制度であるため、技能実習でのみ認められている職種や、特定技能でのみ認められている分野があります。

改正後

最終報告書において、

「新たな制度の受入れ対象分野については、(新制度が)特定技能1号への移行に向けた人材育成を目指すものであることから、特定技能制度における『特定産業分野』が設定される分野に限ることとし、国内における就労を通じた人材育成になじまない分野については、新たな制度の対象とせず、特定技能制度でのみ受け入れることを可能とする」

となっていることから、「育成就労(仮称)」は特定技能と受入れ分野を関連づけたうえで、同一またはより狭い分野において受入れが可能になると見られます。

具体的には、建設業や自動車整備など既に技能実習と特定技能の双方で受入れ可能となっている分野については、引き続き育成就労・特定技能の活用ができる見込みです。一方で、現時点で特定技能の受入れができない分野(繊維・衣服関係など)では、特定技能制度に変更がない場合は育成就労の活用はできないものと思われます。

政府としては制度改正を契機に、必ずしも育成就労を経由せず、特定技能制度をダイレクトに活用してもらう方向に誘導したいものと考えられます。

※上記の内容は有識者会議「最終報告書」に基づいて作成しており、実際の改正法等と異なることがあります。予めご了承下さい。