去年9月、日立製作所が実習生の受入れを巡って機構(技能実習機構)から改善命令を受けていた問題で、中國新聞は26日、機構は当初「認定取消相当」としていたにもかかわらず、法務省など所管省庁が「改善命令」に処分を軽減したと報じています。

今回の事件で日立製作所は、実習生を電気機器組立て職種に従事させるとしていたため、機構から実習生の受入れを認められていましたが、実際には、電気機器組立てとは無関係の鉄道車両の窓枠取付け作業に従事させていました。

実習生の受入れに際して、実習生に行わせる職種・作業が基準に適合しているかは、各監理団体・受入企業が細心の注意を払って確認します。場合によっては、何度も機構へ問い合わせることもあります。

また、過去に認定取消処分となった受入企業の中には、職種・作業の虚偽申請など「機構へ申請したとおりに技能実習を行わせていなかった」というものが複数見られます。

今回のように、虚偽申請が明白で悪質な行為あるにもかかわらず、実習生が5年間受入れられない認定取消処分ではなく、実習生の受入れが継続できる改善命令処分にとなったことについて、行政は、「配慮があった」との批判も甘受しなければならないでしょう。

なお、中國新聞の報道で、日立製作所を監理していた広島県の監理団体については言及されていませんが、監理団体がこの様な内容(受入企業が実習計画と異なる作業をさせていたこと)を知らないということは考えられません。しかし機構は、これまでのところ、この監理団体に対しての処分は行っていません。