共同通信は、2020年12月までの約3年間で、妊娠や出産で実習を中断した技能実習生637人のうち実習を再開できたのは11人で、約2%にとどまったと報じました。

理由としては、言葉も十分に伝わらず、両親などのサポートも得られない日本で出産・育児をするよりは、帰国することを選んだものと考えられます。特に、実習生が妊娠・出産となった場合、多くの場合で父親もまた同郷の実習生であったり、留学生であったりします。仮に父親が実習生であったとすると、勤務地が近いなどの幸運に恵まれなければ、実質シングルマザー状態となってしまいます。

一部の実習生に対しては、妊娠を理由に退職を勧奨するような事例もあったものと思われますが、このような行為は違法です。一方で、実習生側は妊娠・出産により賃金が得られなくなり不安定な状態に置かれます。監理団体や受入企業は過度に実習生の私生活に立ち入ることはできませんので、実習生の自律的な選択も重要です。